Scene 1 8Wを越えた朝
見事に8Wを今日クリアした彼女は、来週 第一志望の産科にアタックしていく。
第二志望も設計も 私と二人で用意してある。
縁がなかったらそっちでいい。
3つの希望産科は、ともに「超」のつく一流の産科であり、紹介状の宛名のDrも一流である。
今から彼女のドキュメンタリーをカメラとマイクで回していこうと思う。
今日はいい日だった。
私にとってではない。会員さん(患者さん)にとってだ。
46歳(自己卵)✕経産婦でないという条件下、
最後の保険治療IVFが全滅に終わった後から、ずっと・・観てきた患者だった。
この記事を読んで、『高齢妊婦のドキュメンタリー』から「何が自分に役立つもの」を拾って欲しいと思っている。
他の人の体験と思考の変化を、読む人がどう解釈するか?だと思う。
今回の記事に年齢が3つ出てくる。「46」「54」「51」
年齢よりも彼女たちが何を見て何を考えて、どう行動をしたのか?のを知ると役に立つと思う。
Scene 2 7Wから始まっていた(産科選び)戦略
そう1週間前、7Wの内診で心拍確認でCRLもFHRの軌道の乗ったので、主治医は全薬剤を切った。
あと1週間続けるか?主治医は悩んだ。
ホルモン剤と言うのは、赤ちゃんが見えた時のホルモン数値をみて
その赤ちゃんが「自分のチカラ」でホルモンを出してゆく為に、外因性のホルモン(=いわゆるホルモン剤)を
過剰にいれては、赤ちゃんの邪魔をしてしまう。ノイズになる。
だから・・1Wごとに徐々に切ってゆくのが王道だ。
特に反復不成功の高齢の患者さんだとメインのE2製剤やP4製剤がそれぞれW盛りになることも多い。
前回の移植プロトコルと数値も当然、参考になる。
その46歳の患者さんの主治医は、悩んだあげく決断をした。
「薬剤は全部、今日7W0dで終わりにする。」
これは体験者だと、かなりレアで思い切った判断だとすぐわかると思う。
患者さんは1W間前・・7W0dで心拍を確認してもらって音を聞いもらった。
「もし、その日心拍が確認できたら主治医にはあるオーダーをして欲しい。次回紹介状をもらいたい。」と
7W前のカンファ(ONLINE)で、私は話していた。
もちろん、数値的にこの週ではここのライン、次の週ではここのライン。デッドラインはこの数値と
わかりやすいロードマップも渡していた。
だから、7W0dの診察で順調なのか外れているのか?瞬時にわかった患者さん。
狙うのは・・医師たちの妻の出産でも人気のある都内の産科の入所!
もちろん医師の家族だけでない。良質の情報を持ってやってきた層だ。
ハイリスク患者(国内国外問わず)がスーツケースを持って全国からやって来る。
産科サイドも公平性を重んじるから、早めの席取り合戦にはブロック(=ルールの厳守)を仕掛けてくる。
これは席取りゲームそのもの。音楽が止まったら子供たちは椅子の取り合いになる。
少なくとも、母親たちは生まれくる自分の子の為に席(=NICU付きのベッド)の確保に走る。
これも母として愛情の一つだ。何もなかったら・・もちろんそれが一番いいと皆思っているだろう。

その「Musical Chairs♪」を突破する為に
ART-CLINICを卒業する目安である10W(For ハイリスクの高齢の患者さん達)を待たずに、
私たち二人は、その激戦区の産科に入ろうと戦略を立てていたのだ。
普通の産科だと、10WでART-CLINICを卒業しても、高齢とかハイリスクの患者だと別枠で入れる。
だから、本当にまったりして喜びと不安の気持ちをもって産科に移動していくだろう。
でも、その激戦区NO1の産科は、ベッドの空きがあっと言う間に埋まってしまう。
姙娠して嬉しいとかの感情に振り回される前に、もう『次ぎの一手』を計画していかないと間に合わないのだ。
「皆様だったら、そんな時・・どうしますか?!」
ARTCLINICを卒業する前に7Wちょいのタイミングで・・主治医に紹介状を書いてもらって産科にもって
いけばんじゃない?産科で席をとってから・・ゆっくりとART-CLINICを9-10Wまで診てもらってから産科に
移動すればいいと。そう思う人が多いと思う。
「都内だからNICUのある病院はたくさんあるし、
何もそこまでして、頑張らなくてもいいのじゃないの?」とか思う人もいるでしょう。
高齢妊婦の方だと、NICUがある産科を行きたいと皆思う。虎の子を身を挺しても守る母の心理だ。
でも実際はNICUのレベルは・・それぞれの病院で違う。
それはネットでは分からないと思う。(ここではあえてそこは掘り下げないが・・)
今の時代だから・・AIで調べるのはいいと思う。
ただAIにはこちらからニーズや求めているものを限りなくリアルに入れて、壁打ちをしていかないと、
本当にいい情報までは絞れない。こちらからの情報もその裏付けを根拠として打ち込んでいくのは普通だ。
しれーっとネット上の情報をかき集めて、「それっぽい答」を出してくるのがAIだ。
病院選びの問題は、探す側のリスクある既往歴が何と関連して来るのか?また自分のニーズを正確に本人も知っておかねばならない。そうしないとAIにもARTCLINICにも的確に相談などできない。
つまり
AIへのキーボードを叩く前に、自分の頭に最初に浮かぶ「最初の質問」がズレていると、
問うべき問題提起も最初からズレていくものだ。構造が全部ずれていくから、最終的な解答もずれる。
ネットには書かれていない「一次情報」というは正直ある。
AIが出す情報も、誰が書いているのか?よっても違うし「二次情報」だったりするのは良くあることだ。
もしあなたが、ARTCLINICの卒業が近づいてきて産科選びの頃合いの時。
主治医はこういうだろう「産科はどこでも指定してくれれば紹介状を書くよ!」と。
それが通用するのは若い患者さんだろう。ハイリスクの患者さんであっても、「NICUがあるところがいいね。
小さなところじゃない方がいいなぁ」で終わってしまう。
そこは患者さんが先生からのベストな答を引き出すために、突っ込むところだ。
Scene 3 産科選びというアウェイの世界
上記の患者さんの年齢はさっき言った通りだ。
前の周期ではいわゆる「8Wの壁」を超えられずに心拍は確認できたがそれも流れてしまった。
その方は、自分が悪いのでないか?と悩んでいた。これは子を失った母親でないと絶対に分からないと思う。
でも今回は、生まれて初めての「産科選び」だった。
ましてや産科とは行ったこともない方だから完全にアウェイだ。産科選びもアウェイ。
こういう時には、一次情報をもっている人たちの智慧を借りるに限る。
ネットで拾える人は人は良いかも知れないが、裏付けのある生の一次情報が一番いい。
それらの人たちの意見をテーブルに並べて、自分で意思決定をするのがいい。
情報だけでなく主治医への言い方もすべてシュミレーションできると更に強いのは、言うまでもない。
もしそういう知り合いがいる人は幸せである。
NICU選びの話だったね。
産科とNICUが繋がっている病院には、簡単に入れるところと入れないところがある。
医師たちが自分の妻の出産で安心できるNICUがついている産科はどこか?
その界隈の情報を手にしている人たちには自然と一次情報が手に入る。生の情報ほど強いものはない。
そして、それを鵜呑みにせずに自分でも調べてみるというのが彼らのやり方だ。
すぐにその情報に飛び付かずに、そこの留まる勇気も持っている。
しかし、決めたら物凄いSpeedで行動に移す。
Scene 4 Minevaとは、何を共有している場所なのか?
うちMinevaは、そうした更新された一次情報を姙娠継続中に出してゆく。
|会員制|だからそうした情報を、皆で共有していく文化がある。
それは会員さまから会員さまへと生きた情報が常に更新されて継承されていく。
一次情報でも、半年前とは今は違ったとか良くある話だ。だから検証が絶対にいる。
病院によっては、HPでは「8Wを超えても大丈夫です。ハイリスク患者の受け入れ枠を用意しています」とか
書かれている。
HPを見た後に病院の受付に電話をして確認すると・・
「ああそうなんだ。まだ大丈夫そうだ。」と思って10W位までの卒業を優先し、産科を後回しにしたりする。
するとどうなるか?わかりますか?
都内の人気がある産科では、生むのはここで産めるけど、通常の検診は自宅の近くの病院で受けてもらっていいですよというシステムがあったりする。
はい、質問です。ここでそのシステムにハイと思ったらダメですよね?
ハイリスクの高齢妊婦は何があるわからないから途中経過のモニタリングがキモになるのは言うまでもない。
産科が提供してくる『出産までの設計ルート』が大事になる。
その方は、私と一緒に自分に既往歴や、ARTCLINICの先生が心配したことをベースに産科サイドは何を
この患者に対して不安に思っているのか?という背景をもとに
*第一希望の産科(NICUルートあり)
*第二希望、
*第三希望とシュミレートをした。
それぞれの産科のシステムや流れも詳しく読みこむ。
Summaryは私が出し、それをあとで患者さん自身が自分でも確認できるようにしている。
もちろん、その3つの希望の産科でそれぞれ、「どの先生宛に紹介状を書いてもらえばいいのか?」「その理由は?」も可視化していく。そんな戦略を組んでいた。でも選ぶのは患者さんなのは言うまでもない。
私は自分の意見を押し付けないようにしている。
お腹が大きくなった後の病院まで通う交通ルートも、当然患者さんのリアルだから、その話もする。
でも 穴があるかも知れないと私は思い・・うちの会員様のネットワークを頼ったりする。
産科に電話をしたが、実際はベッドの空きがなかっただけだのに、
病院スタッフから事務的に「出産予定日」で入所足切りにあった人もいる。
これはスタッフが結論だけを言ったに過ぎないが嘘は行っていない。
これは次のScene5でドキュメンタリーで話したい。
通常のNICUのある産科だと「ハイリスク枠」を持っているのが普通だけど・・
人気がある産科はそこも埋めてしまうのだ。もちろん、最後までキープしておく産科もある。
だから産科のシステムは良く一言一句読まないといけない。患者とトラブルになった時も「嘘じゃない」と後で言えるに頭がいい人が文言を作っている。そうした視点で読まないといけない。
「HPの文言をみて、それをこう解釈したのですが・・○○はどうなのですか?」と病院の受付との電話でも
言わないといけない。そしたら、では○○の担当に回しますねと誠実な対応をうけることができる。
「そういうのは、別に知らなくてもいい」、
「他に選択肢があるからそちらに行けばいい」と考える人もいるが、”タイパ重視”は否定しない。
うちの会員さまは、そういう人は少なく”コスパ重視”で品質を徹底的に追求する人が多い。
なぜか?それは、情報だけは出してもらってから自分が決めたいと思っている人が比較的多い。
さっきもいったように産科はアウェイだから、どこか問題に可能性があるのか?
それを事前に知っておきたいと思うのだろう。
だから、私は患者さんの要望には誠実に今!正しい情報を出すことをモットーにしている。
会員様たちは、最初は産科はどういうところがいい思っていたのか?確認をして、
私が情報を出してそれを理解した会員さまの「理解を更新」していく。
そしてそこでまた選んでもらう。
すると会員様は、今まで気が付かなかった自分の本当のニーズに気がついたりもする。
「ああ、こういうところも考えないと後で後悔するなぁ」といつもの賢い主婦に戻っていくのだ。
このアウェイな産科選びワールドでもだ。
だから、私はその時に事前に設計したいというニーズに答えられるようにしてきた。
そして、産科選び一つでもを常に「一次情報」をアップデートしてきた。
それは会員様の主治医が、その産科をどう判断しているか?をも含めて共有していく普通だ。
Scene 5 この46歳の8W待ちの会員さまの不安を54歳妊婦の会員様に電話で相談した。
私は会員さま達には絶対に間違った情報はださないと決めているとさっき言った。
その為には何をしているか?を書きたい。
アップデートして知識は必ず「裏取り」をする。それはもちろん「最新の一次情報の更新」だ。
私はこの46歳の8W待ちの会員さまの不安を、おなじ54歳妊婦の会員様に電話で相談した。
なぜならば、その方はその病院の”足切り”にあって他の病院にいかざるを得なかったから。
その後の第二希望もNGだった。
つまり2つとも同じ理由(10Wで産科に電話したからベットが相手なくて、出産予定日※は範囲だったけどNGだった)
でも人生の不思議は変なところで起こる。成功は最初に”敗北の仮面”を被ってやって来た。
第三希望の産科がその人にとっては通ってみて最高だったと本人はいう。
その方は、54歳の初産に妊婦・・あと2か月で出産予定だ。
年齢以外のハイリスク要因となるOP既往歴はたくさんある人。
昔凍結した卵を戻す時も、主治医から「分娩を許可してくれる産科の先生のOKをもらわないと移植は
できない」と言われて・・メンタルが地に落ちた。
私と一緒に「どう産科の先生をくどくか?の戦略」を練りまくった経緯がある人だった。
彼女は常にアウェイの壁にぶつかっては、私と一緒に一つ一つ壁をクリアしてきた人。
私はその54歳の妊婦さんにも上記の46歳の妊婦のことを相談をした。
その落とされた人が・・どう?受付で言って断られたか?をもう一度・・ディテールまで聞いた。
(その時の設計図も私と作ったから、私と彼女は共同体で断られたようなものだ。)
先輩会員さまのノウハウは後輩会員さまに伝承されて更新されていく文化がある。
彼女たちが自分の口で主治医に質問して・・その解答をもらった資産は共有されて、後輩たちの羅針盤になる。
先生にこういうと一般論になって返ってくるのか?
じゃあ こういう聞き方をすると医師は、興味をもって本音を語ってくれるのか?
・・・などの「生きたノウハウ」が
自然と集まってくる。但し、新鮮な魚と同じように情報に賞味期限がある。
だから、また別の会員さんは、それを聞いてもう一回確認していくという「Cycle」がミネバの会員制のエンジンだ。
Scene 6 54歳の先輩妊婦からの間接アドバイス
その54歳の患者さんからの後輩へのアドバイスは的確だった。
以下がそのアドバイスの答えだ。
1)私は10Wからだったからベッドが埋まっていたけど、8W前にベッドが確保できるか?産科の受付に聞くこと
2)どうしても基本通り8W以上でCRLエコー確認と紹介状がないとダメならば受け入れて8Wの週が
勝負どころになるから、公式サイトのベッドScheduleカレンダーを日々みること。
※ ベッドカレンダーは1Wごとに更新されるから、週によっては埋まっていくSpeedに差がある。
そのSpeedの埋まり具合は、産科の受付で聞いて自分の中の情報を聞くこと。
3)埋まってしまったら、ダメもとでARTCLINICの主治医から産科に一本電話をいれてもらうと
通ることはあるが、主治医の気分と出勤Scheduleを確認しておくこと。
できればこれの最後の手は、使わない方がいい。なぜならば・・産科に行ったあともその先生は
希望があれば診てくれる先生なので、そこを担保していた方が安心だ。産科の先生とARTの先生とWで
診てもらうと大きなトラブルが起こったときに安心だからと。
これらが電話の壁打ちから出てきた。
私はその方へ言った。
「たくましくなったなぁ・・○○さん。」
「昔は、先生に質問したり希望をいったりするのにビビりまくって・・私と一緒に作った主治医への質問リスト
通院する時の電車の中で「こんなの覚えらなぁーい。想定と違ったことが返ってきたら頭の中が真っ白になる」
と言ってたのに。
まだ、彼女は言葉を続ける。
「今のお腹の赤ちゃんが、まだ凍結胚だった時に、主治医から産科の許可がないと戻せないと言われた時は
膝がガクガクと震えた。そしてその宿題をもって産科の先生を夫婦二人で首をならべて口説きにいったときも
不安で膝がガクガクと震えた。移植を認めますと言ってくれたのは嬉しかったけど、許可の紙をもらえなかったから、果たして胚をお腹に戻す主治医が、紙をもらってこいと言われたらもう終わりだと思い、夜も眠れなかった」とその先輩患者さんは私に電話で話した。
私はこういった。「第一希望、第二希望と落ちたけど、第3希望の今の産科にいったのは運命だったねぇ
姙娠前・・移植をする前に 腰痛のOPでボルトをガンガンいれて、こんな体じゃ移植なんてできないと
といっていたけど、腰痛OP後の移植では2回目の移植で今のあかちゃんを授かったんだから、凄いよ。
その前の移植は人生は初めての着床だった。ケミカルだったけど・・着床という事実は本物だった。
その方は、親にも「その年で、子供を産んでお前に死なれたらあの世にいけない」と言われて、
妹が全力でお姉さんであるあなたをかばって親を説得してくれた。本当に長い長い物語だったね」と。
そんな話ができるのが、うちの会員制の特徴だ。
離脱率が低いのはこういう患者さんに恵まれているからだ。
先輩患者の一次情報が、確実に後輩患者に伝承されて更新されていく。
Scene 7 さらなる「更新された一次情報」への追求
そして、上記の方との電話相談には続きがある。
その方と話した後に裏取りをした。
それは、ドキュメンタリー作家が取材をするのと似ているかも知れない。
話を聞いた私は、電話を握り・・「いまはどうなっている?」と思って患者のフリをして産科の受付に電話をした。
これは当たり前の行動だ。人間はAIとは違う。今の現場で起こっていることを確かめてくる。
当然、突っ込むところは突っ込むのは言うまでもない。
すべては、産科選びのド真ん中にいるあの方に正しい情報を渡す為だ。
私は、恥ずかしいけど声が高い・・キンキン声まで行かないが低めの女性の声の音域にあるのは確かだ。
女性のアルトの音域くらい。こういう時だけは、病院の受付から病院の産科へと電話先の向こうの方から「女性」と間違われるのはメリットしかない。
この女性のような声とLogicの通ったツッコミは、患者さんが「更新された一次情報」を得るためには
結構 武器にになるような気がする。
Scene 8 産科選びの設計図
ここからは実際に私が46歳患者へ渡した設計図である。
医療用語が出てくるのは許して欲しい。下手にわかりやすい言葉よりも共通用語の方が丁寧な場合がある。
それは、患者さんは医師と医療用語を使ってコミュニケーションする時があるからだ。
46歳の後輩妊婦に私が彼女の既往歴をみて産科選びの条件を出したのを参考までに書いておく。
個体差があるので、これが絶対的なフォーマットになる訳ではないことは言うまでもない。
患者さんは自分のことがわかっていないと、産科もDr.もチームも選べないんだというリアルな話だ。
★ ★ ★
NICUと産科が太いパイプでつながっているところがいいと思う。
特に産科のエースがNICUまでの設計ができるところが絶対にいい。
3つあげられるかな?
〈3つ条件〉
1)胎児・出生前診断領域に強いこと
→いわゆる出生前診断と、NIPT以降の個別プランニング
2)ART(体外受精)領域・高齢妊娠の理解が深いこと
3)症例のリスク層別化・戦略設計が非常に得意な医師であること。コンダクターの役割のDrを探す。
〈オペとの関係〉
そのコンダクターDrが自身が執刀するというより
→ 「どう分娩にもっていくか」を設計する側。
当然 難しいオペもできるDr.でないと設計するチカラはない。まわりが納得しないからだ。
〈その役割〉
1)初期評価の正確性
2)PAS疑いの見極めの鋭さ
PASとは,胎盤の絨毛(じゅうもう)が子宮の筋肉に異常な深さまで入り込んでしまう状態、
癒着胎盤スペクトラムのこと。
これは前置胎盤→癒着胎盤という言葉をその重症度や病理的な特徴を
ふくめて連続体(=スペクトラム)として広く捉えた概念だ。
→ これを分娩の時だけうちの産科がやるから、健診は地元のCLINICで・・というシステムは論外。
疑いの見極めは、仮説設定だ。それがフレキシブルでないと発見が遅くなる。
3)分娩時期・施設内配置(NICUへとか、仮入院)のタイミング決定をする経験値の多さ
これは患者との会話からヒントを引き出す医師の人間力がモノを言うと思う。
現役のベテランのカンの良さのこと。
以上だけど、
産科選び、Dr.選び、チーム選びはハイリスクの高齢妊婦にとってはマストな条件だと思う。
もう一つ重要なことがある。
その産科に紹介状を今のARTCLINICの先生に書いてもらう時は、
「どういう内容を書いてくださるのか?」を確認すること。
それを患者自身が、産科の医者の前で自分の言葉で「こうことが不安なんです」といえること。
それがカルテに残るからだ。紹介状は書いてもらって終わりじゃないってことだ。
そういう患者の「不安と希望」を話すことはは、医師サイドにとっても有益が情報となることが多い。
病院(産科)のお目当ての先生が、ハイリスク患者だと思うような既往歴がかかれてないと
その先生(設計ができる人)が、産科からNICUへの導線、そして分娩チームの組成まで
できる限りの最高の治療ラインを組む時に、穴が生まれてしまう。
例えば、妊娠前の脂肪肝の既往歴(肝臓専門医のところで簡単に調べられる)の変化も
お腹が大きくなってくると、いいヒントのなったりする。
うちの会員様もお腹がかなり大きくなった頃に、産科の先生にそれを言ったら、
「なんで何でそういうことを最初の頃に言っておかないの?」と言われた人もいる。
その人は51歳で自己卵で出産をした。
年齢があがるとささいなことでも医者に伝えておくべきだ
という意味だ。 患者情報から選ぶのは医者だ。だからこそ情報はテーブルにあがっていた方がいい。
医師が「関連性」をみれるからだ。何と何がつながるのか?というのは脳の認知のコアエンジンだ。
Scene 9 最後に・・ 運の方程式はあると思う。個体差があるだけだ。
今回は、超高齢の患者二人(当然ふたりは直接の面識はない)産科選びの話を書いた。
彼女たち二人は、卵を作るところから私とContactをしてきた人たちです。
どういう卵がいいのか?ビジョンを共有していた人たち。
過去の失敗にこそ、宝が眠っていると信じた人たち。失敗をどう解釈するか?一緒に考えた日々が昨日のようだ。
もちろん、グレードは大事だけど・・グレードだけ良くてもダメ。
PGT-Aでクリア胚でも着床しない卵とか少なからずある。
「そうすると姙娠って結局は、運じゃない?」とかいう人もいる。
辛い経験をしてきたら、私だってその立場だったらそう思うかも知れない。
運を呼び込むのは・・私は方程式があると思っている。
ただ、その変数は人によって違う。
だから、このブログを読む妊活中のあなたも、その方程式をみつけて欲しい。
その方程式は、今回の二人の患者さんがそうだったように、失敗のあとに
仮のプロトタイプの方程式がまず、見える。
そこから 変数を色々と入れ替えて精度をあげてゆく。それを確かめる。
その変数を入れ変えていく過程(プロセス)の中で、なぜ?入れ替えたのか?なぜダメだったのか?
理解を更新していくと・・確実に精度があがって、あなただけの方程式ができあがると思う。
うちの会員さまは、ゼロからその方程式を作るわけではない。
先輩会員さまたちの診察室での生きた「智慧」をベースに作っていく。
そして、会員さまが全員そうだったように・・結局は診察室で主治医との関係を強めてゆく。
よりよい治療をその主治医から引き出せるのは貴方しかしない。
なぜならば、他の患者さんの成功パターンをあなたのプロコトルに移植したところで絶対に
微調整をしないといけないし、そもそもそれが間違っているかも知れない。
良く、会員さんからこんな言葉をいただく。
特に、同じような治療歴があり、同じクリニックで、同じ主治医に診てもらっている患者さんほど、こう話してくれる。
「私の失敗も成功も、そのまま後輩に移植はできない。でも、匿名で後輩のために使ってください。」
そして、多くの方が続けてこう言う。
「私も、先輩たちの経験を共有させてもらってきたから。」
もちろん、個人情報はすべて伏せた上での共有である。
それでも、自分が誰かに助けられた経験があるから、今度は自分が次の誰かの力になりたい。
そんな文化が、Minevaには自然に根付いている。
今回の記事で年齢が色々と出てきたと思う。「46」「54」「51」
以下は、「51」の脂肪肝の患者さんが良く口にしていた言葉だ。
統計を嫌というほど見てきた科学者の患者さんだった。
実験の中で、いやという程 個体差で・・統計が壊れる事例をみてきた人。
私が年齢の話をすると、NOを言い続けてきた人。
そして、自分の体を使って自分自身に証明してみせた人だった。
「51」の彼女の言葉はこうだった。
I am still me.
No matter my age.
(私は、私。年齢に関係なく。)
その「私」を理解するために、主治医と対話し、自分だけの方程式を作っていくのだろう。
医療者は、よく「統計」を使うが、それが当てはまらない人が一定数いるのは事実だ。
体外という医療は、どうしても「統計」で考えがちだ。
だから皆さんも個体差があることを忘れてほしくない。色々な40代・色々な50代の患者がいる。
これはFACTだ。
いずれ 「51」の方の見た世界もブログで書くつもりだ。

Mineva Documentaryは、患者さんの一次情報を記録し、経験を伝承し、現場で更新していく。
今回・・「46」と「54」
会員さま達の見る世界を、今回ドキュメンタリーで書いた。(終)
