設計図は、運用して初めて設計図になる。副題:Minevaのカンファ作りの裏側と、Waypointの失敗談。

設計図は運用して初めて設計図になる—MinevaのカンファレンスとWaypointの失敗談を表す舞台裏の撮影機材
目次

1章:はじめに・・

これは、デジタル・ノートのObsidian(オブシディアン=黒曜石)の使い方の話ではない。

私は、その裏方のnoteに・・普段のメモや気付き、ネットで調べたことなどを書いている。
患者さんたちとのカンファの資料の下書きも、これですべてやっている。

もちろん、カンファではマイクロソフト社の「OneNote」で絵を入れたり、グラフを入れたり
その方の今の治療と関係のある話題のフレーズを書いたりして・・人に合わせて資料作りをしている。

資料の使いまわしは、基本できない。
まず 1ON1という大前提がある。患者さんの主治医もそれぞれ考え方が違う。
毎回のカンファを個人に特化した資料になっている。 

電話やLINEでもやりとりをするが、すべて個別特化。
 すると何が必要となっているか?というと・・私自身の作業の効率化。

それをデジタルで思い切りブーストUPをしないと時間が、とても回らないのだ。
だから、LINEやメール1つでもすぐに返事をするようにしている。

最初は、スグに返信すると・・暇なのかな?と思われるんじゃないか?と思っていたけど、
後で返信をしないといけないのは確かなので、「即返信という習慣」は逆に楽になって何年たったろう?!

H3 1-1:なぜ裏方を見せるのか?

今日の記事は、治療とはあまり関係のない話になる。 裏方の話しをする。
デジタルの専門用語も出てくるが、皆様の旦那さんが使う用語だと思って、
「またそんなことを言っている」と思う程度でいい。

私も当然、その作業効率化で失敗する。便利だと思ったのがク○の役にも立たないとか、日常茶飯時だ。
でも、患者さんの数だけクオリティを落とさずに「1ON1」対応をしたいので、効率化で失敗してもそれを失敗で終わらせずに
Feedbackだけは絶対に学びとるように心掛けているんだ。
そう、それは皆さん(反復不成功患者さん)が、一回失敗したらゼロベースでまた最初からやるのが無駄
と思うのと一緒だ。

1-2:治療の押入れ

さて、私のデジタルノートの「オブシディアン」の失敗の話を続けよう。
それは基本、最低限のフォルダーのみであとは記事と記事を[[リンク]]で繋いでいく仕組みは、
人間の脳と同じように動くわけだ。記憶は芋づる式に繋がっていくからだ。

すると、お風呂に入っている時とか散歩している時や皿を洗っている時に
ポーン♪と偶然のひらめきが降りてくるのを、皆様も経験あるのではないでしょうか?
偶然のひらめき(=セレンディピティ)が生まれやすい。
そうしたデジタル・ノートのコアファンは、ネット時代だからかなりいる。

例えばAIと壁打ちをして調べたメモをドンドンいれていくと、
「あれ?あのメモどこに入れたっけ?」ということになる。

仕切りのない整理されてない「中を立って歩けるウォーク・イン・クローゼット」のようなものだ。
私は、押し入れとかクローゼットがきっちりと綺麗に整理されている女性を本当に尊敬している。
たぶん、新しいものを買っても、その空間に入れる瞬間から「整理の設計図」を無意識で作っているのだろう。
努力がいらないように、習慣化されてしまっているのだろう。 
そういう奥様を持った旦那さまはそれだけで結婚が7割大成功だ。
冷蔵庫をあけたら、目当てのものがスグに見つかる冷蔵庫にもなっていると想像できる。

ちなみに、私は患者さんとデジタルの共有file「DropBOX」を共有している。まあ 治療の押入れだ。
患者さんが、あの時の資料どこだっけ?と言われたら、検索してすぐに「ハイ!これだよ!」と出せるようにしている。
治療経過(ホルモン推移や、その時の患者さんと主治医の会話等)もすべてEXCELで私が管理しているから、
「あの時の数値いくつだったけ?」と言われたら、表をスクショしてすぐにLINEで
共有することも自然にやっている。


大切なことがある! 過去の数値の今の診察室で出ている数値の関連性を患者が意識するのが重要なんだ
ART解析のプロの目からみた関連性だ。
もちろん、根拠も伝えるのは言うまでもない。患者の理解をその場で更新させないと意味がない。
ある患者さんから、『豊洲市場の魚の目利き』みたいだと言われたことがある。
お客さんは寿司屋や料理屋さんの目が肥えているから、当然 目利きの方もそれ以上じゃないと・・お客が離れてゆくから。

そういうアクションは、私の中で習慣化されているので・・努力をして頑張っている感じがまるでない。
押入れが、常に整理されているあなたと同じだ。
入れる時に、出すことを前提に設計している。

しかし・・そんなに上手く行かない時もある話をする。患者のデータを無くしたという話じゃない。
一人でやる人数が多いから、何気ない患者さんとの会話やメモは・・その場でiphoneに録音をしてオブシディアンで患者ごとに管理をしてる。

音声録音→文字起こし(=ディクテーション)も色々と試したが今は、iphone17のデフォルトで十分高性能だ。
それまでは、有料の方がいいのではない?と無駄なサブスクを色々やってよくわかった。
ほら、押し入れが散らかり始めたのがわかるでしょう?文字起こしのデータを何処にしまったのか?忘れてしまう・・
自動化も散々やった。あれは私には全く合わなかった。頭の中がアナログ系なんだから・・。

つまり、私は、あの時どこに何をおいて置くという『構造』を設計しないで、バカでかい押し入れを使うとこうなる。
だから私は、オブシディアンというデジタルノートに・・
『フォルダーノート』というプラグインを入れて使っているのだが、
今度は、フォルダーが増えすぎて・・押入れの中でフォルダーを探すのに時間がかかるようなった。

生産性を高めるつもりが、どんどんと生産性がおちてくるという「あるある」だ
いわゆる『効率化の罠』の話だ。
業務や時間を効率化しようとするほど、逆に仕事が増えたり、創造性や幸福度が低下したりするパラドックス(矛盾)のことだ。この記事では「キャンプ・ファイヤーの火に飛び込む蛾」をアナロジーにして説明している。

じゃあ?どうしよう?と思っていた。
最初にやったのは、コピペをして「やった気になっている」のがいけない!
コピペをしたら、その上に自分の言葉でSummary(=要約)書いておこうと、思いそれをやっていた。

これはドイツの社会学者のニクラス・ルーマンのアイディアだった。
ツェッテル・カステン(=メモ箱(ドイツ語))といって1つのメモに1つのアイディアを、
自分の言葉で書いて、それらを相互にリンクさせて知識のネットワークを
構築する『第2の脳』と呼ばれるメモ術・知識管理手法だ。

・走り書きのメモ
・文献のメモ
・永久保存版のメモ の3つを使う。

デジタルノートのオブシディアンは、この思想に基づいてつくられてる。
でも・・
人間は、そんなに頭がいい訳でない。
ObsidianやNotionとかのデジタルノートは、この『第2の脳』として作られた。

1-3: キャンプ・ファイヤーの火を狙う「蛾」

生産性の罠のたとえ
キャンファイヤーは蛾を舞っている。

キャンプ・ファイヤーの火

そこに生産性重視とか突っ走った人間が、きっとあなたのまわりにもいるはずだ。

夏のキャンプ・ファイヤーの火の中に飛び込んでいく『蛾』のような習性を持っている。
私もその一人だった。 

火に飛び込む「蛾」

キャンプ・ファイヤーの火は、蛾の私には眩しくてとても魅力的な世界に見えた。
火の方に向かっていけば・・生産性があがるのではないか?という希望をもって火の中に突っ込んでいく。

私は、またいつもの姿である「蛾」にならないためには・・
「ツェッテル・カステン」を作ったニクラス・ルーマンのアイディアの背景を知りたいと思った訳だ。
ちなみにツェッテル・カステン(ドイツ語)=メモ箱という意味だ。
面白いことに・・誰もその欠点を誰も語らない。

もうその生産性の沼(=キャンプファイヤーの火)に落ちた輩は
・・もう目的と手段が入れ替わっている。

オブシディアンを管理するが目的になっている。
AIではこーんなことが出来ると、それ?知らないの?という痛い人達と全く同じだ。

自分はそれらを管理できるという思い込み、その薪の火ほど・・甘い誘惑はない。
特に研究肌の人間や、生産性に過度の期待を抱いてるバカほど、この沼にハマる。

2章:ニクラス・ルーマンの言葉と彼が求めた世界観

ニコラス・ルーマン

ニクラス・ルーマン
1927年 ~1998年

メモ箱=「ツェッテルカステン」を作った社会学者


現代人に与えた最大の影響は、

「ノートは単なる記憶の保管庫ではなく、
 自分と対話して新しいアイデアを生み出す
 『思考のパートナー』である

というパラダイムシフト(認識の転換)を起こした。

現代のデジタル知識管理(PKM)の金字塔

2-1:メモ箱を作った男

ニクラス・ルーマン(1927年12月8日 ~1998年11月6日)は、さきほどの「ツェッテル・カステン」を作った
20世紀を代表する社会学者。

前章で私は、患者さんが今の数値と過去の数値に関連性をつなげるのが大事と言った。
その関連性が何を生んでいくのか?
考えてみるといいと思う。

ルーマンは、それをやりたかった。それがいかに難しいこともルーマンは理解をしていた。だから価値がある

「メモを取って管理するのに、本を書くより時間がかかる。」

「ファイリングキャビネットが臨界点に達するまでには、数年かかる。」

                                               - ニクラス・ルーマン ー

これは何を言っているのか?というと
元々のゼッテル・カステンは、複雑でわかりにくくて、難しいってこと。
このゼッテル・カステンは学ぶ場所がないと彼はあの時代に言った。
彼は、1998年11月6日に亡くなった。(享年70歳)
まだ最近の人だ。Windows95も知っている。

さらに彼の名言を続けよう。

「私は記憶力が悪いという、ただそれだけの理由で

カード・インデックス(メモ箱)を始めた」

                                               ― ニクラス・ルーマン ―

「私のメモ箱は、私よりも賢い。

もちろん、私の方が多くのことを知っているが、

メモ箱の方がより高度な組み合わせを生み出せる」

  ― ニクラス・ルーマン ―

「本を1冊書くためではなく、一生のためにこの計画(メモ箱)を立てるべきだと最初から分かっていた」

  ― ニクラス・ルーマン ―

2-2:相棒か、部下か

彼は天才だったから出来たと思ったら、そこで話は終わってしまう。

ルーマンはゼッテルカステンという「相棒」を使いこなすことで、
30年間の研究生活で70冊以上の学術書、400本以上の論文という、個人の限界を超えた超人的な量のアウトプットを残した。

ルーマンは、「メモ箱を壁打ちの相棒にする」という感覚だった。

Q: それって・・AI時代に生きる「現在の私たち」に似ていないか?

メモ箱=デジタルノート=AIとの壁打ちと考えてみると何かが見えてくるだろう。
メモ箱が知的に見えてしまい、知らない間に相棒どころか、人間が部下になっている。
道具に完璧なまでに、使われてしまっている。

ルーマンのカード目録には、リンク付きのカードはそんなに多くなかった。多くても15〜20%くらいだった。

ゼッテルカステンの強みは、リンクそのものじゃなくて、
「アイデアを育てていく」ためのメモの並び方と、その成長の道筋をたどれるところにあった。
道行(みちゆき)=Waypointということだった。

ここを勘違いしてたと私は気がついた。
私がプラグインの「Waypoint」でつまずいたのは偶然ではなかったと思いたい。
コケたことを神に感謝したい。

あのまま行ったら、
夏の火に飛び込むとして、キャンプファイヤーの火に焼かれていただろう。

2-3:極東のJAPANにもあったメモ箱  ー 京大式カードという発明 ー

ちなみに日本でも、このキャビネット形式での情報管理をした学者がいた。
あの有名な「京大式カード(B6サイズ)」開発した民族学者・梅棹忠夫が1969年の著書『知的生産の技術』で紹介した。

情報整理のオーソリティだ。いや アイコンだと思う。
1920年(大正9年)6月13日~2010年(平成22年)7月3日に90歳で永眠。

私は・・梅棹忠夫さんの本は全部 読んだ。 高校生の時に本屋で「京大式カード」を知ったが、
私はバカだったので・・なんだろう?この変なカードは?なんで?京大式って言うんだろう?と思ったが
見事にスルーしていた。
社会人になって、はじめて自分が追い詰められて、名著『知的生産の技術(1969発行)を手にした。

京大式カードの基本フロー: 「収集・記録 ➔ 蓄積・分類 ➔ 結合・創造(アウトプット)」

の3ステップのアイディア出し

京大式 B6版カード




原型は戦後に誕生
文化人類学者の梅棹忠夫氏が、
戦後のモンゴル研究の過程で情報整理用のカードを発案しました。


1969年に発売された梅棹氏の著書『知的生産の技術』(岩波新書)の中でこのB6判カードが紹介され、ベストセラーになった。

※ 京大式の名前は、本人が付けてはいない。


STEP
収集・記録  (ジャングルや砂漠などの現場・ 自宅での読書)

  1枚1項目、その場でメモする。

STEP
蓄積・分類   (カードボックス)

  見出しをつけて、テーマ別にゆるく分類する。

STEP
結合・創造   (こざね法)

カードを並び替えて、論文や原稿の構成を作る
 → つまり アイディアを出してから論文等にまとめる。    「こざね」とは小札と書く。

Q: 小札(こざね)法とは?

A:
もともとは日本の武士の「鎧(よろい)」に使われていた、小さな革や鉄の板(小札:こざね)が由来。
小さな板を紐でつなぎ合わせて1つの大きな鎧を作るように、
小さなメモをつなぎ合わせて1つの大きな文章を作ることから、
       
梅棹忠夫が命名した。
日本の民族学・文化人類学の礎を築いた生涯というとピンと来ないと思うので、
梅棹氏は、世界中・・にネパールなどの熱帯・高地フィールドに植物研究にいく探検家だった。
京大の学生の頃からの京大探検部にいた。
       冒険家インディー・ジョーンズを地でやった博士兼 冒険家
    白洲次郎(=吉田茂の右腕としてGHQに屈しなかった男)並みに、見た目もセンスも良かった。京都出身。

3章:その生産性向上の呪縛から逃れるために

3-1:天使は、天使の姿で来ない

ちなみに、落ちを最初に言っておく。
私が解決策として求めたものは、自分が思っていない形でやってきた。
天使は、いつだって天使の姿で人間の前には現れない。
聖書に天使が出てくる時には、いつだって 彼はこう言う。
「●●(=あなたの名前)、恐れるな!」
つまり、トンデモナイ怖いカッコをしているってことかも知れない。

改善は、最初は「失敗だ!もう最悪!」という形で目の前に現れる。

『改善』という言葉は、私はあまり好きでない。
「カイゼン」は世界のTOYOTAの有名な言葉で、英語にもなっているが
あれは工場の管理者や、企業のプロダクトマネージャーの思考に向いているだけだと私は思っている。
既定のものがあってのカイゼンだからだ。

不確実性の森を中を歩むには、 
「この後何がでてくる?」
「その時に何をしたらいい?」という能力の方が重要だ。

3-2:深い森の中を、羅針盤とナタを持って進む

体外の患者さんとか、毎回 診察室はそんな感じだろう。
ルーティンで管理表に赤ペンをいれているプロダクトマネージャーじゃない。

森の中(=フィールド)を羅針盤だけもって、ナタで目の前のブッシュを切り分けながら進んでいるようなものだ。


だから、目の前の予想がはじめにあって、次に前回の失敗から仮説の修正だけがいる。
ブッシュの向こうは、仮説が合っていたか?どうかの答え合わせだけだ。

時には、そこは・・3mの落差のある「沢」になっているかも知れない。
ルートを決める「中間地点」を刻んでいくことが大事だ。
やばくなったらそこに戻れるように。

4章:本論- Waypoint(=道行)の実装

H3 4-1:Waypointとの出会い

Waypoint・・・ 目次を作るプラグイン♪ 

2点間を・・結ぶ 設計図

私は、デジタルの押入れ「オブシディアン」の中でフォルダがだいぶ増えてしまって、
どのフォルダに何が入っているのか?もうわからなくなった。
情報のシャワーの中だ・・滝のようにずぶ濡れになった。
その時だった。

そのフォルダに入っているnoteを「目次」にしてくれるプラグインに出会った。「Waypoint」という名前だ。

「Waypoint」とは・・旅や移動の途中にある「目的地へ向かう途中の中継地点・立ち寄り場所」を意味する。

素晴らしいツールだと思った。
その目次の下の行に、なぜ?このノートを作ったのか?目的を1行で書くようになった。
私はとても気に入った。
フォルダーの管理は、プラグイン「folder Note」でやり、フォルダー内の管理は「Waypoint」でやった。
検索も今では簡単に出来る「base」というデフォルト・ツールがオブシディアンには実装されるようになった。

4-2:期待通りには動かなかった

でも気がついてしまったんだ。

フォルダー内の項目が自動的に並んでしまう。時系列を無視して勝手に並ぶ・・しょんぼりだ。

プラグイン「folder Note」は、フォルダの中のノートをホールドして順序を並びかえることはできる。
でも フォルダーの中、当然できない。

「Waypoint」という新しいプラグインは、フォルダ内に目次を作れるだけで並び変えることができない。
それに気がついてしまった。


この記事を読んでいる方の中には・・
「そんなことで悩んでいるの?簡単だよ、そんなの」とITリテラシーが高い方たちも大勢いるだろう。
「検索ツールのbaseがあるから・・フォルダも目次もいらないじゃん」



私は、もともとがアナログの手帳ヲタクやカード管理ヲタクだから、目に見えないものは不安でしかなかった。
だって、目でみて関連性を脳が反応して・・さあ!何を何のためにしようと思うのじゃないかと思うんだ。
私のようなアナログ人間は、銀座のITOYAが大好きなんだ。ステイショナリーは見ているだけでも気持ちがいい。

銀座 ITOYAは、ステイショナリーを売ってるお店じゃないと思っている。
それを使っている自分という「未来のイメージ」を売っている文房具屋さんだ。 

でも、プラグインの「Waypoint」の仕組みが私にはわからなかった。
また、キャンプファイヤーの火に向かって飛んでいく「蛾」の気分になった。

私のその道具は、期待通りには動かなかったのだ。
Waypointは悪くない。

私が勝手に「こう並ぶだろう」と思い込んでいただけだった。
実際には、フォルダ構造をそのまま表示していただけだった。
つまり、
問題は道具ではなく、自分の設計だった。

4-3:番号を振ればよかった

Q:設計をするためには、何が必要か?

最初の時に、その時点にいる自分がこの後に歩んでいく道行(=Waypoint)はわからない。
でも、考えると見えるんじゃないか?と思ってしまっていた自分がいた。

フォルダの中で順番を決めていたのはフォルダだった。調べてみると、Waypointはこう並べているのがわかった。

・フォルダ(順序が私のイメージと全く違う、そのフォルダじゃない。)

・サブフォルダ

・ファイル ・・・という順番で整理していた。

ならば、ファイルを並べ替えるのではなく、フォルダそのものに番号を振ればいいと思ったんだ。
それは、偶然ではあるが上手くいった。

そんなの当たり前だろう?という人には、
「アナログ思考のそれが出来ない人の気持ち」は分からないと思う。私がそうであるように・・

うちの患者さんだってそうだ。みんながみんなITリテラシーが高い人ばかりじゃない。
中にはPCがほとんどわからなくて、スマホしか使えない人もいる。
でも、私は「本質」は道具じゃないのをカラダで知っているから
そうした患者さんが今、何をしたいのか?にアンテナを立てている。

共有フォルダ「DropBOX」は各患者さんたちに渡しているが
その彼女たちは、写した資料を自分でスマホをつかって、そのフォルダに移動することは出来ない。

でもいい。 私がやってあげればいいことだ。 
患者さんの本来の目的は、PC操作で悩むより、先生に何をどう話そう?

・・・と 診察室での自分の意思決定のことだけを彼女たちは考えればいいと思っている。

                                            ー Mineva | ART .D.S ー

─────────────────

5章:失敗からの収穫・理解更新

5-1:地図は、天候1つでガラリと変わる

今回のオブシディアンの「Waypoint」のチューンUPの一番の収穫はそこではなかった。
番号管理が便利だったのは確かだったが・・

私が一番驚いたのは、
自分の設計が更新されたことだった。


最初から番号をフル・・
「100」
「200」
という発想は無かったが、
file名やフォルダ名に番号をフルと、その後はどういうトラブルに見舞われて
システムが崩壊する??と仮説を立てられたことが楽しかった。

それは、Waypointを回したから、初めて見えた景色だった。
やっぱり、走ってみないと分からない景色や課題はあると思う。

ART治療には「構造」つまり「地図」は大事だとこのblogでも何度もいっている。
でも言葉で理解するのと、実際に地図を更新するのでは、えらい差がある。

私は思った。

森の中で時間が進んだ時、森の「構造」や「地図」はガラリと変わる。
雨で道が崩れてもう道が無くなっているかもしれない。

その時、「いやこっちに道があったハズだ」と思ったら、そこで別の道にいくのに頭がフリーズしてしまうだろう。

道は、土砂ごと谷に落ちていた

仕事では患者さんに、「一緒に仮説を作ろう」とか言って
仮説検証→修正→反証を想定して→また修正→再び仮説出しをする。
そして診察室にいってもらい患者自身で「仮説」の答え合わせをしてもらって来る―
このサイクルを私は回しているくせに・・
自分が、今回のようなアウェイな環境に置かれるとこのザマだった。

1つ目、オブシディアン、不慣れ。
2つ目、プラグインを使って、自分が何をしたい?という設計も中途半端だった。
3つ目、森の中で、気がついたら・・あると思っていた道が大雨で、土砂ごと谷に落ちていた。そんな感じだった。

そうだ!思い出した。

5-3:整理の向こうにある創造性

ゼッテル・カステンの方法を考案したニクラス・ルーマン本人は、それ用のマニュアルを書いてなんかいない!
ニクラス・ルーマンはカード目録の中に10枚もないくらいのカードしか持ってなくて、
ゼッテル・カステンについての小さなエッセイが2本あるだけ。

ゼッテルカステンの原則って、どこかに固定されてるわけじゃなくて、
みんな自分の主観でシステムを理解しながら、
それぞれで勝手に作り上げていくのだ。

だから、ゼッテル・カステンにはかなり時間がかかる

そして大事なのは、フルに機能するゼッテル・カステンを作って維持するには、それが必要ではあるが・・・
それは走ってみないと絶対に次の景色と課題も見えない。見えるハズがない。
当然、それに対しての解決策もない。対象がないのだから。

理解をする→ そこで駄目をもらう(Feedback)→さらに修正→「理解の更新」という
サイクルをPDCAのようにぐるぐる回すしかないのだ。

ゼッテル・カステンも、梅棹氏の「京大式カード」も裏付けのあるインスピレーションという創造性を出すツールだ。
ただの情報整理屋じゃない。

図書館は、昔は図書カードの引き出しで回っていた。あれは本を探すだけしか機能しない。
でも その引き出しを引いている人は、探している本を読む自分を想像していたと思う。
デジタルでもアナログでも、どちらでもいい。

 欲しいのは整理の向こうにある創造性だろう。

─────────────────
最終章:

6-1:道具は、所詮道具だ

「道具というものは、智慧までは教えてくれない!」と私は最近よく思う。
「道具」は答えを教えてくれない。

それっぽく見せてはくれるが・・「道具」は、所詮「道具」だ。
それを使って、何をしたいんだ?!という問い(=Issue)を更新しなければ
「道具」に使われるようになる。

それは、甘い誘惑だ。 それを使って何をしたいということを忘れさせてくれて、管理している自分に酔うことが出来るから。

それは趣味ならば、問題はない。
でも仕事で、相手がいる場合は別だ。
「有料でやらせていただく」いうことは・・責任があるからだ。
そして、それはサービスを提供する側からみると、いつものことだけど
サービスを受ける側からはみると、もう「二度目はない」

6-2:運用して初めて設計図になる

でも、
道具を回すことで
自分の考え方(理解)が更新されるならば、こんなステキな体験はない。

これはブログを書く時も同じ。
患者さんとのカンファレンスも同じ。

事業も同じ。
最初の設計図は、完成品ではない。
運用して初めて設計図になる。

今回学んだことは
Waypointの使い方ではない。
もっと大きなことだった。

「回してみないとわからない景色がある。」
「そして、その景色を見た人だけが、必要な理解を更新できる。」

だから私は、
設計図を書きながら,また設計図を書き直している。
結局は、それが一番早い。

以上が、患者さんが目で観ることはない、うちの裏方の話でした。(終)


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設計図は運用して初めて設計図になる—MinevaのカンファレンスとWaypointの失敗談を表す舞台裏の撮影機材

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