54歳の先輩妊婦が46歳妊婦を救った、その後。― セッターは、最後の一球を打たない。 ―

54歳の先輩妊婦が46歳妊婦を救った、その後。Mineva公式ブログのアイキャッチ画像
目次

Scene 1 一本の電話:46歳妊婦の後日談

前回の記事「46歳妊婦の産科選びを救ったのは、54歳の先輩妊婦だった。」の後日談だ。
今回は、その後の話と、高齢患者さんが移植の場面で経験する意思決定のリアルを書いた。

第一志望の産科へ紹介した46歳の患者さんから電話がかかってきた。
その産科の待合室からだった。
受付を済ませ、診察券を作ってすぐだった。
「ありがとうございます。無事に第一志望に入れました。あれも不要でした。」
とても嬉しそうだった。
私も心から安心した。

その日、私たちチームの行動スケジュールはギリギリだった。
もし紹介状を持っていくタイミングが1週間遅れていたら、もうベッドは空いていなかったという。
ベッドの空き状況は週に1回更新される。
しかし、その更新前から予備軍が一気に流れ込み、週によってはカレンダーがババっと埋まっていく。
文字通り、ギリギリだった。

「あれも不要でした。」という「あれ」とは、ART CLINICの診察室で主治医が何気なく口にした、
「○○さん、あの病院では……妊婦手帳もいるんじゃない?」という一言だった。
その産科の初診は予約制ではない。
朝一番から並ばなければならない。
午前中に地元の役所で妊婦手帳を受け取ってから産科へ向かったのでは間に合わない。
到着は午後になり、受付は終わってしまう。
前回、彼女は産科受付に初診時の持ち物を確認していた。
その時は「妊婦手帳が必要」とは言われなかった。

しかし、その後に主治医からこの一言を聞いた時には、もう産科受付の電話受付時間は終わっていた。
確認したくても確認できない。
だから彼女は心配でたまらなかった。
初診の日を翌日にずらせば、妊婦手帳は間に合う。
しかし今度は、その間にベッドが埋まってしまうかもしれないというリスクがある。

こうした本人でないと分からない意思決定の瞬間を、彼女は体外受精のCLINICでも何度も経験してきた。
今回の初期胚2個戻しは、たまたまうまくいったのだろうか。
それとも、こうしたリスク・マネージメントを最後までやり通した結果だったのだろうか。
しかも、その初期胚2個は最後の凍結胚だった。
失ったら終わりだった。
文字通り、「虎の子」の胚である。
過去には胚盤胞が全滅した。
それをヘッジしようとPGT-Aにも挑戦した。
しかし、その時も胚盤胞は全滅した。
採卵費用もPGT-A費用も、文字通り無駄になった。
その経験がある人なら、この重みは分かると思う。

その時、自分ならどういう戦略を選ぶのか。
この記事を読む人も、「もし自分がその環境に置かれたら、どうするだろう。」という視点で読んでいただけると、一つの疑似体験になるかもしれない。

Scene 2 彼女の卵巣はPMOSだった。メリットもデメリットもある・・
     戦略はここから始まった

2026年5月、国際アンドロゲン過剰・PCOS学会(AE-PCOS Society)をはじめ、世界56の患者団体・専門学会による国際的な取り組みにより、これまで「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」と呼ばれてきた疾患の名称を、
「多発性内分泌・代謝性卵巣症候群(PMOS)」へ変更することが発表された。
この内容は世界的な医学誌『The Lancet』にも掲載されており、約14年にわたる国際的な議論と、
22,000人以上の患者さんや医療従事者の意見をもとに決定された。
なお、名称変更は約3年間の移行期間を経て、2028年版の国際診療ガイドラインから正式に採用される予定だ。

「PCOSって・・卵巣にたくさん見える人のことでしょ?ただ・・たくさん見える。」
「そして主治医の誘発がとてもナーバスになるんでしょ?と思う人もいるかもしれない。」

彼女がそうだった。でもエコーにはネックレス・サイン(卵胞が数珠になってる)など見えやしない。
男性ホルモンや血糖値も正常だった。数年前までは一回の採卵で一桁後半の胚盤胞がとれていたが
そんな人でも年齢があがると、1回の採卵で胚盤胞は2-3個に激減していた。
彼女の過去の主治医たち(転院歴2回)もPCOSという病名を使わなかった。
CD3でFSHとLHひっくりかえっていて・・LH優位の卵巣ってことぐらいの認識だった。
※ FSHとLHがひっくり返るだけでは、PCOSとは呼ばれないことにも注意

なぜ?PCOSの名称が「PMOS」に変わるのか?というと・・

近年の研究では、PCOSは卵巣だけの病気ではなく、ホルモンや代謝の異常が全身に影響する疾患であることが分かってきたから用語と実態が合わなくなってきた。
それで名前が「多発性内分泌・代謝性卵巣症候群(PMOS)」に変わった。
要は、「PCOSは卵巣だけの病気ではなく、ホルモンや代謝を含めた全身の疾患である」ってこと。


じゃあ・・どうする?
戦略づくりはそこから始まった。戦略の前には仮説がいる・・それは誰もが知っている。

問題は・・
仮説を置く前には、絶対に必要なものがある。
その仮説を生み出す前の「最初の質問」であるIssue(イシュー)だ。
そこを間違えるとCLINIC選びはもちろんDr.選びも・・
そして中に入ったあとのDr.とのICもすべて ボタンがかけ違いになるから本人はこの最初のIssueを
自分なりに持っておかないといけない。そして 年齢の上昇ともにあきらかに採卵はもちろん移植でも
むかしの成功パターンが通用しなくなっていくので、毎回の周期での主治医との会話でそのIssueを
更新し続けていかないといけない

Scene 3 彼女が最終的に更新した仮説はなにか? 彼女専用のマニフェストの作成


以下は、彼女と私のチームが、主治医や他院のサブの先生と意見を入れて仮説を徐々に更新していった結果だ。

1:採卵では・・E2の吹け上がりのケースと逆のE2が刺激のわりにあがらないケースを見極めて
        主治医と丁寧に誘発を一緒に決めてゆくこと。そして採卵実行の有無も主治医と相談すること。
        
        この周期によってE2カーブのギッコンバッコンがあるのもPMOS卵巣系のデメリット
        だが受け入れること。
        
2:移植では・・HRT周期(ホルモン周期)は高齢ではリスクがあるから
        PMOSのメリットをつかって「自然周期」での「初期胚2個組み合わせ」
        その組み合わせ自体も、主治医と患者がを戦略をもって二人で相談すること。

3:移植では・・内膜だけ厚くなればいい。排卵だけすればいいという一般論を疑うこと。
        排卵後の内因性のホルモン分泌に不安があるときは、先生に行ってキャンセルさせて
        もらうこと。
        
以上が最終的に更新した仮説のうち主要な3つだった。
でも、それ以外にも免疫関係の仮説は2つあった。

今回の最後の虎の子の成功は、この免疫関係の仮説の比重が大きかったと思われる。
それは、主治医のいるメインのCLINICと並行して、サブCLINIC(これは私がDrを紹介)で
徹底的に免疫関係のモニタリングをしてもらった(1回限りの検査でなくコスト重視)。

つまりリスクヘッジ・マネージメントをやった。
だから、たまたま運がよくて姙娠をその年齢でも実現したのではないと思う。
ひたすら二人でFACTを積み上げていった。

そして『主治医や他院のサブの先生の意見』も流れの中で
両方を組み込み、患者さんが自分の治療の「理解」を更新していった。
 ふたりで決めたことがある・・「思い込みはやめよう!悪い方に引っ張らえるから」だ。

以上が彼女専用のマニュフェストだった。

Scene 4

彼女は、若い時はずっとバレーボールをやっていた。
だからカンファでも、バレーのプレーを説明するときのアナロジーとしてよく使っていた。
私は、人によってアナロジーは当然 イメージしやすいに変える。
本人が難しい医療の説明を理解するには、五感で感じることが一番だと思っている。
理解をしないと、彼女は診察室で主治医と自分の言葉で話せないからだ。
ネットからとってきた付け焼き刃では、先生と話せても仮説の更新まで突っ込んだ話なんて出来ない。

少し、バレーボールの話をしよう。もちろんART治療の戦略にからめてだ。
バレーボールに興味がない人は
コートの中に三種類の選手がいることを知らないかも知れないので説明する。

  • アタッカー
  • セッター
  • リベロ = 守備専門のポジションで,相手の強力なサーブやスパイクをレシーブ(拾う)し、
           攻撃への起点となるボールをセッターに正確に返すことが最大の仕事

    そして、コートの外には試合全体を設計する監督がいる。

ネットの向こうには、当然敵チームがいる。
相手のアタッカーから、強烈なスパイクやバック・アタックが容赦なく女子バレーでも100km/hで
飛んでくる。
それを拾うのはリベロだ。アタッカーもセッターが適切な位置にトスをあげないと本来のプレイができない。
セッターも当然、リベロが抜群の反射神経でボールを拾ってくれないとつながらない。

彼女とこんな話をよくしていた。
ARTCLINICで最初に、打ち込まれたボールを拾うのは、患者だと・・・
年齢があがってくると、ボールが拾えなくなる。どこにボールが飛んでくるのか?わからないから
彼女は不安だと言った。採卵や移植につながらない卵胞出現の有無なんてしょっちゅうある。
CD3の診察日をバレーのコートと見立てると・・そのエコーと採血が自分のイメージしたものと大きく違っていて、
そのFACTに呆然と一歩も動けずいる。それがもどかしい。
その後がつながらない感じするのは不安でしかない。

例えば、なんで卵胞が見えないんだ?前周期はあれほど卵が卵巣の左右に見えていたのに・・とか
なんで、巨大卵胞がそこにいるんだ?これはあとで消えていくのか?・・とか
なんで、高温期で早めに育ってきた卵胞が12mmを超えて採卵1個のターゲットになっているんだ?・・とか
これはエコーの話。

でも採血では想像もしていなかった、数字とかこの年齢になるとよくある。FSH爆上がりとか・・
体外を始めて頃なんて、先生の方からFSH高いから今周期はどうしますか?なんて言われていた頃が遠い昔のようだ。

年齢があがると、このように敵のコートから強烈なスパイクがやってくる。それでもリベロ役の患者は、ボールを
拾いにいかないとならない。そんな話をよくしていた。突っ立っている訳にはいかないから・・時間が限られている!

監督は主治医だ・・そして患者はリベロ。本物のバレーではリベロはアタックはできないルールだけど
ART治療というバレーのコートでは、助走→ジャンブ→空中でアタックまでしないといけない。

アタックをするとは、空中という不安定な中で意思決定をするようなものだ。
つまり 患者は、リベロ役とアタッカー役の両方をやらなくてはならない。

「ネットの向こうには、当然 背がバカ高いブロックの壁が全力でボールを止めにやってくる。
 こっちは、ボールを拾ってトスからジャンブして、ネットの向こうでボールをブロックされて、
 お金と時間だけが流れゆくのはもう嫌だ。」



そう、彼女は言ったのを昨日のことのように私は覚えている。
採卵結果でも移植結果でも・・あっという間に勝負が決まる。バックアタックを食らっている感じがする。

オンラインのカンファの中で、どのくらいのスピードで飛んでくるのか?二人で調べてみたら
女子バレーで時速100kmのバックアタック・・その基準となるアタックラインは、センターラインから3メートル。バックアタックの打点から、こちらのコート後方まで約9mを時速100kmで飛ぶと、到達まで約0.32秒。人間の限界として人間の視覚的な反応速度は約0.2秒だから引き算すると
リベロが実際に体を動かせる時間は残り0.12秒ほどだとFACTがわかった。

だから、相手のスパイカーの空中でのフォームやフォームの癖を見極める驚異的な予測能力でこの一瞬に対応
しないとならない。
リベロはボールを受ける前に、コートのどこの位置にいるか?ですべて自分で瞬時に判断しないといけない。
ボールが飛んでくる音を聞いてからだと、全く間に合わない。

それって・・どこにボールが着弾するのか?仮説を設定して自分がどこの位置にいるかってことだよね。
仮説って大事だよね。チームの戦略ってそのあとだよね?
そんな話を彼女としていた。 

私はその時、ボールがどこに飛んでくるか?向こうのコートの動きを予測するところが戦略は始まっているんじゃない?と
女子バレーでも敵のDataは完全に研究されまくっているでしょ?
Dataバレーは、自分のチームのDataだけじゃ作れないよ。相手のチームのData分析も同時並行でしょ?
相手をみないで戦略もなにもないでしょ? そんな雑談をよくしていた。

Scene 5 コート内での選手の役割をART治療に例えるならば・・


オンラインではOneNote(マイクロソフト)をつかうのだけど、ホルモンの推移Data(EXCEL)やそれをイラストに可視化して直感的にわかるように私はしているが・・最初の意味のある雑談を写真やイラストで貼ってよくする。
リラックスしてもらっている状態で、今どんなことを相談したいのか?患者さんのボールを拾う為だ。

上記に患者さんの時は、こんなことを書いてみせた。そうやって前章の会話が展開していった。

  • 監督(= 主治医)
  • セッター(= Mineva)
  • リベロ(= 現在の患者あなた) → 0.12秒でレシーブの位置を決める仮説を持ちたいと思ってる
  • アタッカー(= 理解を更新し、自ら意思決定する患者、つまりエース)

    主治医は監督である。戦略を示し、医学的判断を行う。
    しかし最後の一球を打つことはできない。
    最後に助走してきてジャンプし、
    ネットの向こうへスパイクを打つのは患者自身である。

「これってチームじゃないとできないよね?」
「私のしごとは、セッターだからしっかりやらないとね。・・そうじゃないと最後にあなたが、空中で安心して
アタック(意思決定)できないでしょう?あなたが打ちやすいように『止まったトス』をあげるから
あなたのタイミングで・・・。だって私はアタッカーじゃないから意思決定をするのはあなただ。」

Scene 6 その一球は、着床し、妊娠継続につながった。そして産科へのステージを上げた


移植(自然周期)は二回見送った。主治医も理解してくれた。
一般にはこの年齢では「チャンスを逃した」ように見える。
しかし、スポーツでは違う。見送ることも戦略である。

彼女は
虎の子の最後の初期胚の組み合わせも戦略を組み戻す順番も
主治医(=バレーボールの監督)と決めていた。
彼女は、じーっと勝負球を待ったのである。

そして三回目。
彼女は・・助走し、
ジャンプし、スパイクを打った。
その一球は、着床し、妊娠継続につながった。そして産科へのステージをあげた。
まるで一試合のラリーのようだった。

前回の着床は、心拍まで確認できたのはよかったが、8Wの壁を超えられずに
赤ちゃんを失った。
これは体験した選手でないと痛みがわからない。

だからこそ、今回・・
流産からの回復(hCG↓)を待って、その時、最後の移植の試合に向かうその方のセッター役として
私は次の戦略を彼女に示した。

試合のコートの中でも今回の2回の移植のタイミングを見送りの『止まるトス』を空中に放った。
2回の「フェイント」モーションにした。
 ※ もちろん私が勝手に進められない。彼女の監督(=主治医)に相談するのはいうまでもない。

私たちは、「Dataバレー」をしていたのだと思う。
試合中のあらゆるプレーを数値や記号としてリアルタイムに記録・分析し、
戦術や戦略に活用するバレーボールのデータ分析手法だ。
こう書くと自分たちのチームだけでDataだと思いがちだが、敵チームのData収集あってのこちらのDataバレーだ。

それが出来たのも最初にリベロ役の患者さんがいたからだ。
私はコートの中だけでなく、相手のコートの中も見ていた。

サーブとレシーブの傾向として「誰がどこにサーブを打つ確率が高いか」「誰がどの位置でレシーブをミスしやすいか」
次にスパイカーのコース分析として相手スパイカーが「トスが乱れた時にどのコースへ打つか」「ストレートとクロスのどちらを好むか」
その次に
セッターの配球(トス回し)として「特定のローテーションの時、どのスパイカーにトスを上げやすいか」「レシーブが崩れた時の配球パターンはないか?

もちろん上記はアナロジーだけど
彼女の過去の採卵傾向(失敗patternと成功pattern)、移植の傾向(失敗patternと成功pattern)
をDataとして管理していた。
それをリアルタイムで管理して説明するのは当たり前だ。

だから 彼女がClinicの診察室前の待合室にいる時も、
過去の失敗の中からも今周期にいかせるDataをみれるようにしている。
カンファの内容もスマホのOne Noteで見れるようにしてある。過去の検査の結果はクラウド上(Dropbox)で共有してある。

PCでもスマホでも 今やITを使うは当たり前だから、要は見せ方だと思っている。
今 どの資料を見るべきか?が見せ方だと思う。共有してるOneNoteやクラウドの共有フォルダ内の資料でも
何と何が今関連しているのか?をまず第一に考えている。
理由は、あまり患者さんの脳のメモリーを無駄に使わせたくない。
患者がやるのは、主治医と診察室で納得したIC(=インフォームドコンセント)をして、医師からSDM(共同意思決定)を
引き出すことだ。だから 先生とどんな話をしよう。エコーはああだったから。そこだけに集中をさせたいだけだ。


私は 黒子に過ぎない。でもスパイク(=意思決定)を打ってはいけないセッターにすぎない。
患者さんがスパイク打ちやすいように「止まったトス」をあげるまでのボールの運び方を一緒に考えるのが役目だ。
ICは 患者と主治医だけの聖域だ。

Scene 7 セッターの心理: 元バレーボール女子日本代表の伝説的なセッターである竹下佳江さん


この記事を書きながら、私がずっと読み返していた本がある。
竹下佳江さんのセッター論は、バレーボールの技術論ではなく、「人を支える仕事」の本質ついたものだと思っている。
医療もさまざまな教育も家庭内での子育ても、私には同じ構造に見える。

セッター竹下さんのトスは、正面のアタッカーではなく、フェイントで背面のアタッカーに届ける

だから、私は元バレーボール女子日本代表の伝説的なセッターである竹下佳江さんのファンです。

身長159cm

“世界最小最強セッター”とも称され、2012年ロンドン五輪で日本を銅メダルに導いた彼女だけど、
悪魔のシドニーオリンピックの予選で敗退。
9:14でクロアチア優勢で迎えたマッチポイント。あと1点で決まってしまう恐怖。
ドラマならば、ここから逆転が起きるのだが、しかし、奇跡は起こらなかった。
クロアチアのサーブがネットインして、あっけなく試合終了。
翌日の新聞の見出しは「日本には東洋の魔女はいなかった」と叩かれる。

『試合はアタッカーで勝ち、セッターで負ける」といわれている。



だから試合で負けた時は、たいていセッターに批判が集まる。コートの中の司令塔だからだ。

東京オリンピック以来の連続出場していた歴史に汚点をつけて
日本中から「戦犯」扱いでバッシングされて一次はバレーをやめてハローワークで他の仕事をさがしたが
もと相手チームの監督からオファーが入り、バレー界に戻った。

JAPAN復活の旗印をあげたレジェンドだ。
同年代の元サッカー女子日本代表の「澤 穂希」が・・「竹下佳江」に遭遇したとき
「お友達になってくれませんか?」と言わしめた。その後二人は親友になった。

Q:では、竹下佳江さんは「良いセッター」をどう考えていたのだろうか

その竹下佳江のいう「よいセッターとは・・」をわたしなりにまとめてみた。
SDM支援をやっている私も、こうありたいと思っているからだ。でも、まだまだ未熟極まりない。頑張る。

左はセッター竹下佳江さん、 右はリベロ佐野祐子さん 二人とも159cmしかない
  1. 卓越した「観察力」:個のポテンシャルを解き放つ基盤

セッター思考における観察力とは、単に表面的な動きを見るだけでなく、
相手の性格、言葉選び、その日のコンディションや心の機微までを深く読み解く力
信頼の起点としての観察: 「あなたのことを見ているよ」というメッセージを、観察を通じた適切な声掛けやフォローで伝えることが、チーム内に強固な信頼関係を築く土台となる。

個別の最適化(テーラーメイド): 相手をよく観察することで、「この人にはどのタイミングで、どのような言葉をかけるべきか」という個別の対応が可能になり、指示待ちではない自主性を引き出す。

成長を促すトス: セッター竹下佳江は、自信を失っている選手にあえてトスを上げ続けることで、その選手の殻を破らせた経験がある。
これは深い観察によって、相手の「今」の状態と「成長の可能性」を見極めているからこそできる支援の技術。

  1. 戦略的「ゲームメイキング」:組織を勝利へ導く「翻訳」と「設計」

ゲームメイキングとは、試合全体を俯瞰する大局観を持ち、冷静に状況を分析して、チームが勝つためのシナリオを瞬時に描くこと。

3.「翻訳」による組織の潤滑:

リーダー(キャプテン)は、監督の意図をそのまま現場に伝えるのではなく、
現場が納得して動ける言葉に「翻訳」して伝える。

例えば、理不尽に思える指示があっても、その背景や理由を噛み砕いて説明し、双方が納得できる妥協点を見つけ出すことが、組織を円滑に動かすゲームメイキングの一部となる。

相手を翻弄し、味方を活かす: 戦略的なセッターは、相手の陣形を観察・分析して裏をかき、味方のスパイカーが最も打ちやすい状況をお膳立て(セットアップ)する。
チームメンバーが最も成果を出しやすい環境を整える「総合調整役」としての動きに重なる。

4.「任せきる」勇気:

セッター型リーダーは、自分で全てを決めるのではなく、メンバーを信頼して仕事を「任せきる」ことで、個々の役割意識を高め、組織としての着地力を高める。

以上 この4つが私は彼女を尊敬している理由だ。
伝説的なセッターである竹下佳江さんは、本当にすごいセッターだと思う。


そして彼女が一番信頼したリベロ佐野優子さんを紹介させてください。

元バレーボール日本代表リベロの佐野優子選手は、世界最小リベロとしてフランス、アゼルバイジャン、トルコ、スイスの4カ国で活躍し、ヨーロッパ遠征や海外リーグで長年プレーしました。全日本女子代表としても、数々の国際大会やヨーロッパ遠征に参加し、「チームの守護神」として世界最高峰の守備力を発揮した。

竹下さんが一番信頼したリベロ佐野優子

驚異的な守備範囲:
        人並み外れた予測能力と俊敏性で、コートに落ちる寸前のボールを何度も拾い上げました。

正確無比なレセプション:
        強烈なサーブをセッターが最もトスを上げやすい位置へ正確に返し、日本の組織バレーの起点となりました。

海外の重いスパイクへの対応力:
       フランスやトルコなど世界の強豪リーグで磨いた技術で、
       外国人選手の重く鋭いスパイクを何枚も上げ続けました。

ブレないメンタルの強さ:
       159cmと小柄ながら、どんなに劣勢な状況でもチームの最後方を守り抜く強いキャプテンシー
       と安心感を仲間に与えました。


コート内では、佐野さんが正確にレシーブを上げ、それを先輩の竹下さんが絶妙なトスへとつなぐ、
阿吽の呼吸のコンビネーションが日本の最大の武器でした。
バレーって凄くいいです。


▓ P.S バレーボールFanへの情報共有:「バレーボールネーションズリー2026」

現在、女子バレーボール日本代表が出場している大会「バレーボールネーションズリーグ2026」。
世界トップの18チームが参加する国際大会で、決勝ラウンドが行われている。

開催期間 決勝ラウンド:7月22日(水)〜 7月26日(日)
場所   マカオで開催
スタイル 予選ラウンドを突破した上位チームによるノックアウト方式の決勝トーナメント

7/22(水)準々決勝   ブラジル VS 日本

私がバレーボールを好きな理由は短所を武器にする文化があるからです。


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